均質なる集団

「人類はもう進化しない」と科学者が言及」
GIGAZINEの中の人は、人類は進化した方が良いように思っているっぽい感じ。しかし、人類という集団が原形をとどめないくらいにダメージを受けてなんとか生き残る、というのが進化な訳で、人類は進化しない、というのはひどく楽観的で幸福な未来像なのだ。GIGAZINEの中の人は退屈かも知れないけど。大体、種が進化するのは一個人が観察できるような事象じゃないし、進化しようがしまいが自分の身の回りの奴が新人類に置き換わっていったりはしない。それこそ、デザイナーベイビーでもない限りは。


そう、進化したければ、人類は自力で進化できるのだ。それが良いことか悪いことかは知らないが、技術的にはそのうちできるようになるし、できるようになったらやりたいと思う人は多いだろう。まあ、自分の体が進化したりはしないけど。それもまた、ウィルスとかを大量投入すればできなくはないだろうけれど、サイボーグの方が簡単だしマシだろう。SFだなあ。


ただ、どのみち今まで形質的に難病で生きられなかった人たちがどんどん生きられるようになっていけば、その分その難病の発現遺伝子は生き残ってしまう訳で、病気持ちの子供は増えるだろう。そういった人々を生かし続けるためには、技術水準を保ち発展させる義務があるし、そうしなければ多くの人間が生きてはいけなくなる。技術は発展しなければいけない、ということである。まあ、発展しなければ自然状態にまで後退し、低い水準で安定するだけで、考えようによってはどうってことない。けれど、勝手に人類が進化せざるを得ないくらい後退した世界というのは、技術信奉者としては面白くない未来像だ。