グールドの進化論を知ったかぶって書く

今期は、というか最近の傾向かも知れないけど、地味さとエキサイティングを両立させているような作品が増えている気がする。作品数が増えたせいでそういう傾向の作品も増えたと言うだけかも知れないし、ぼくは別に放送されている全てのアニメを見ているわけじゃないから、選択していく内に自分好みの物しか見ていないというだけかもしれないけど。


地球へ…」の原作は全然知らないのだけれど、マトリックスだとか上遠野浩平の虚空牙のシリーズだとか、バーチャルな世界に全てを持ってきてしまう人類の管理方法よりも、リアルとして存在させながらソフトウェアとしての人間の部分を管理する方がリアリティがある気がする。全員が共有する夢を作り出すよりも、現実に放り込んでしまう方が労力が少ないし、外見上自然だ。昔の作品で、ネットや仮想技術に対する社会的イメージがない時代だから、ビッグブラザー的な存在が管理する社会みたいなイメージを使っているのかも知れないが、一周してかえってリアルになっているように感じられる。しかし、カウンセリング的なことができるのなら、記憶を丸消去するより印象や解釈を操作する方が弊害が少ないように思う。あれではマザーが悪意的だ。まあ、ニュートラルなイメージよりは悪役的な存在なんだろうけど、一応社会維持を目的としているのだから、もっと人間に優しい設計でも良いのになあ。折角人に応じて外見まで変えるという対応を見せているのだし、そこには違和感というか、古さを感じるかも。


秋にはもうガンダムがはじまってしまって、「地球へ…」は終わってしまうようだけど、なんかWとコードギアスを足して割ったような雰囲気な予告だったな。市場に対して誠実なことだ。ニーズよりウォンツだって囁いてくれるコンサルタントがいないんだろうね。遂に、夕方のアニメ枠もDVDの宣伝でしかなくなってしまったんだなあ。映像ソフトではなく、あくまでパッケージとしてのDVDの宣伝の。