桜色の未来たち

がくえんゆーとぴあ まなびストレート! の第12話。最終回。
一気に時間を飛ばしてきた。いろいろあったね、と言えるだけの余韻と文化祭周りのエピソードの密度はあった。けれども、もう少しその後の活動のエピソードを振り返るシーンや、ちょっとした事件の痕跡を感じさせる演出があっても良いように思う。
天宮武文が聖桜学園の教員かなにかになる意味はあるのだろうか。彼は遠景キャラなのだから、やっぱりエピソードとして唐突と言うか無理がある感じ。
また、小鳥桃葉関係の設定や演出のおざなり感がどうもちぐはぐ。せっかく細かい演出が印象的な作品だったのだから、もっと厚く演出するか、匂わせるだけでほとんど触れないかのどちらかにするべきだったと思う。1日で消えるスプレーとかいかにもとってつけた感じがする。
印象的なOPに意味を持たせるラストシーン。作品のイメージを演出するときならとくに違和感はないのだけれど、作中の実際のシーンとなってくると、屋上や屋根にあれだけ大量のペイントをするとか、無理がある感じ。
この回は、全体的に今までの細かい演出のスタイルからするとちぐはぐな印象を受ける。作品自体が日常感を演出しているのだし、そのままの密度で、変に区切りをつけずに、今までの延長みたいな雰囲気を協調した方が良かったのではないだろうか。あのエンディングでは、夢とも現実とも付かない。
あるいは、折角第1話と相似形の導入をしたのだから、また始まり直す雰囲気でも良かったかも知れない
それから、最後まで見てみて、やっぱり未来である意義が感じられない。舞台が現代でもあれくらいのリベラルさなら十分にありえそうな感じがするし、学校の統廃合だとか少子化の話も今が舞台でも全然問題ない。各キャラクタの進路も、今を舞台にしても違和感ないし、どうして未来になってしまったのか、あまり必然性がない気がする。
うーん、ミュージカルだからニュアンス的な感じでゴー、みたいなことなんだろうか。