ループ・ザ・ループ

ファンタジーとは再話であると安田均が言っていた*1。しかし、ファンタジーに限らず、およそフィクションというのは再話だと思う。つまり、同じテーマの繰り返し。大概の話に恋愛が出てくる。そうすると、それは恋愛の再話である。他にも友情だとか成功だとか、まあいろいろあるが、大枠で括ってしまえば、全ての物語を括るテーマをまとめ上げるキーワードは大昔から変わっていない。そして大抵の場合、抽象度の高い枠よりもう一段くらい具体的なモチーフもすっかり定番化している。すれ違いや不治の病、吸血鬼など。それは直接的には定型化には結びつかないけれど、ほとんどパターンみたいにお馴染みとなっている。

で、オタクというのは、そういった定番化しすぎて定型化しているようなテーマでも、結構好んでいる。むしろ、お約束というか、十八番みたいに考えて、待ってましたと言わんばかりの雰囲気ですらある。さあこの作者・この作品はこのネタをどう料理してきやがるか楽しみじゃねえか、みたいな。すっかり落語ファンみたいな成熟具合というか、古典芸能のような鑑賞のし具合だ。まあ、人間の寿命は昔から100年足らずだから、50年以上続いているジャンルならば、大体そういう楽しみ方をする人の比率も上がってくるのだろう。


で、何が言いたいのかというと、別にGIFTがD.C.と区別が付かないとかそんな局所的なことではなくて、新番組の山を捌くのが面倒くさいというか、OSの再インストールをしたり、そのついでに新しいソフトを色々と試しているうちに随分と溜まってしまったビデオをどうしようかなあなんて途方にくれる様、ただし、嬉々とした表情みたいな。

*1:安田均がはじめに言った言葉かは知らないが