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コードギアス 反逆のルルーシュ R2の第25話。


ナナリーの思いは、ルルーシュと同じだった。ならばこそと、ルルーシュは悪の象徴を引き受ける。ナナリーの中ですら悪役として残ることを選んだ。




全能感や人々の意思の力など含め、コードギアスのR2は神話がモチーフであるように思う。反復構造がまさにそれ。

また、この最終回では、多くの(生き残った)キャラクターの幸せな結末が描かれたが、今まで生じてきた問題を全て投げてまで幸せな状態で終了させてしまうというのも、神話的。玉城ですら思いを語っていた。


ところで、神話では破壊と再生が語られる。ルルーシュも破壊と再生を語る。そして神話は繰り返す。ならば、ルルーシュもゼロによって死に、そして再生する。

直接的には、一番最後のシーンでのC.C.の呼びかけ。あの下向きの目線は、御者をしているルルーシュに向けられたものだ。
また、刺されたルルーシュの手を取ったナナリーが、ルルーシュの記憶を見るシーン。あれは、あの時点でルルーシュがコード能力者になっていることを表している。
それに関連して、C.C.が涙を流しているシーンがあった。あれは、ルルーシュが自らの死を選んだからではなく、C.C.のコードを受け継ぎ不死の定めを背負ったことへの涙だろう。この最終話では、全ての登場人物の願いが叶っている。ならば、C.C.の願いも叶えられなけらばならない。C.C.にルルーシュのギアスが効かないならば、作中での方法としては、コードを移すこと以外ではC.C.の願いは叶えられない。また、以前、C.C.はルルーシュを生かすことを望んだ。それゆえに、ルルーシュはコード能力者となって生きているのだ。


神話といえば、勧善懲悪である。悪役であり、実際に多くの悪をなしたルルーシュは報いを受けなければならなかった。だから、死ぬ必要があった。デスノートのキラがそうであったように。

その一方で、(今まで全ての思いが裏腹に叶わなかったことの逆転として)、最終話では全ての願いが叶う。そして、再生の時間なのだ。ルルーシュは今までの罪を許されたかのように蘇る。ただし、今までの名前は全て失われてしまう。まさに神話ではないか。



さて。

拘束衣(囚人服?)のナナリーがエロい。アーニャのギアスを解く力がジェレミアに残っていたのなら、ルルーシュの願い通り、ナナリーのギアスも解除してやれば良かったのに。


ジェレミアがアーニャとオレンジ作ってるよ、オレンジ。激しく無限のリヴァイアスのチャーリーを思い出す。チャーリーが本名じゃなくてあだ名である点も似ている。

そういえば、ジェレミアがゼロの行動を見過ごすかのように適当に振る舞っているのは、ルルの作戦を知っているからで、1期の全力で見逃せと同じようでいて幸福。そして、幸せのオレンジ。あの農場とC.C.を乗せた荷馬車は同じ場所だろうか。


で、結局開店休業になっている咲世子さん。


レポーターの白々しい翼賛報道に、追い打ちを掛けるような愚痴。竹田Pがねじ込んだセリフだとしたら、結局は翼賛報道してしまうというメディアの都合の良さを上手く表現していて皮肉的。


そして、ED明け、Cパートを用意しないとは潔い。


あー、ルルはスザクに、永遠に仮面を被り続けろと言ったから、C.C.→ルル→スザクとコードが渡っているとも考えられるな。また、スザクは、そのギアス確かに受け取ったと言ったから、ルルのコードでスザクにギアスを与えた契約があるとも考えられる。その場合、ルルの願いが叶えられて、結局スザクにコードが渡っている可能性がある。
一番最後の場面でC.C.は御者に目を向けず上を見ながらルルに話しかけているから、ルルはやはり死んでしまったというパターンがあるが、御者が聞いているかも知れないのにギアスの話をすることはないと考えれば、御者はルルということになる。それでも、C.C.のモノローグかも知れないし、御者は聞こえないだろうというパターンもあり得る。
C.C.のコードはずっと隠されているし、C.C.が祈っているシーンでも最後までセリフがないから、ギアスの代償でルルが死を選んだのか、孤独を選んだのかも分からない。C.C.の最後のセリフで孤独になるが少し違ったな、というのも、理解者がいたという意味なのか、C.C.が残ったという意味なのかは分からない。
結局、周到に事実確定のための要素は隠され、視聴者の好きなように解釈できるようになっている。