不気味で素朴な囲われた世界

西尾維新のノベルス。
後書きに反応。信長・秀吉・家康のホトトギスの句による喩え。いきなり「殺してしまえ」から入るのは出オチじゃないですかとか、順序が逆の方が良いとか西尾氏は言ってみている。
なんというか、それだけインパクトのあるキャラクタよりも、あんまりぱっとしないキャラクタの方が天下を取ったんだよ、面白いね、むしろ世の中ってそんなもんかもね、という話だったんじゃなかったかな。あるいは、殺すのは結構普通の方法論だという認識が、この話が出来たときにはあったのかも。
取り敢えず後書きから読んでしまうような人対策っぽい後書きだったなあ。


そういえば、西尾氏の作品に出てくるキャラクターに萌える人がいるけれど、ぼくにはちょっと無理。
西尾作品では、メインキャラ以外は基本的にゲストで、1回しか出てこない。この後書きでも西尾氏はそう言ってるし。で、ぼくはキャラクターの変化とかベクトルみたいなもの、ストーリー的な流れが好きな人間だから、本1冊、事件1つというピンポイントな時間だけではイマイチぼくの望む形でのキャラクターを把握することが出来なくて、萌えとか言えないんだよなあ。まあ、普段から萌えとか言ったりしないけど。


一般的には、萌えというのは殆ど属性に対するチェックみたいなもので、瞬間的に検出されるような雰囲気だけれど、記号そのものよりも、その料理の仕方・解釈の仕方の方に関心があるといえるかもしれない。そういう人間はアニメ・ラノベ界隈には少ないのかなあ。みんな賢く黙っているだけか。