GENESISってタイトルに付ければ、かっこよく見えると思っているように感じられる作品がある。

腐女子向けといえば、多分NIGHT HEAD GENESISもそうなんだろうけれど、あの翔子とか変革とかどうでも良い感じの展開が、リアリティの点において名作だったんじゃないかという気がだんだんしてきた。キャラクターの内面にいまいち踏み込めていない演出のせいで、ハードボイルド風というよりは、キャラクターの行動が精神病みたいな感じに見える。内面世界が普通とは違ってしまった人を、普通の人の尺度で見たら当然変なわけで、その変さをほとんど肯定しているところが面白い。主人公をなんとなく善側に立たせた演出だったからそう見えたのだろう。これを、善でも悪でもなくて、ああいう行動をする人として、更に徹底的に突き放せば、アールブリュットではないけれど、そういう常人には到達できない世界みたいな独特の世界観を提示できたかもしれない。意図通りかは別にして、おしい作品だったと思う。