印象・変遷

京アニkanonを見ていると、バストアップ*1の切り替えが多い。それは多分ギャルゲー特有の立ち絵の再現なんだろうけれど、動画として見ているときに、ぼくは何となく小津映画を思い出した。別にちゃんと小津映画を観たことがあるわけではないけれど、小津映画といえば延々バストアップで正面向きのショットによるカットを繋いでいるような印象がある。それと京アニkanonが似ているということは。つまり、小津映画はギャルゲーの画面構成の祖だったんだよ! と言うこと。A=B B=C ∴A=Cみたいな。違うか? 違うか。

しかし、7話では引きのショットの方が多かった気がする。まあ、継続する真琴シナリオの泣きゲー的展開を考えると、ここで一旦引いてみせる方が効果的なんだろうけど。

あと、シーンが切り替わるところで、結構長めに背景を入れたりする。それを小津映画を評するサイトではカーテンショットと呼んでいて、それが一般的な表現かどうかは知らないけれど、京アニkanonでも多い気がする。これも、マンガ表現でシーンの冒頭で建物や舞台のロングショットを描くことで、後のコマの背景を省略するなんていう方法があって、そこから来ているのかも知れないけれど、小津映画もそうらしいぜ、みたいな。

それから、まあセリフの反復なんていうのは、元から祐一はそういうキャラクターだった気がするから、京アニkanonに限った話ではないけれど、それも小津映画と似ていると言えば似ている。

*1:この表現が何となく気になって検索してみたら、豊胸系のヒットばっかりだったのだが、ポートレイトなんかで胸より上の図のことをバストアップって言うよな?