分散、散漫

COYOTE RAGTIME SHOW、全12話終了。

ユーフォーテーブルは、1話作って終了する会社なんですか?

日頃褒めておいて、時々マイナスのことを言うと愛情がこもっていて良いんだろうけれど、いきなり非難してしまう。

初心者が小説を書いたりすると、設定詰め込みすぎと批判されるのが常なのだが、書いている方はそこら辺のラノベだって設定ぎっしりじゃんとか思ったりする(憶測)。で、厨設定ってなんのことだよ、などと思うのだが、商業に乗っている作品だと、大抵上手くまとまっていて実体が見えてこない。今回のコヨーテは、ついうっかり厨っぷりをみせてしまった作品なのかも知れない。

まず12姉妹。まあアレだろう。けれども、12話しかないのに12人も出してしまってしかも脇役だって日には、誰が誰かもよくわからないし、キャッチーなキャラデザと12人いるということしか印象に残らない。ネタにしたいのは分かるが、そんなに必要だったのか。

ブルースとフランカ、ミスターとアンジェリカ、ミスターとマルチアーノとブルースとの因縁、マルチアーノとニルソン、アンジェリカとメイ。人間関係の軸はいくつもあるが、どれも追いきれていない。ビショップが天才詐欺師だとか、カタナが暴走ドライバーだとか、そんな設定必要だったのか。ただ言いたかっただけちゃうか、と。ギルドやチェルシィに至っては、存在すら必要だったのかどうか。マルチアーノがぽんといればそれだけで十分だし、アンジェリカの話し相手に始めからメイを据えておけば、少しは話を掘り下げられたかも知れない。マルチアーノがサイボーグなのも、それだけで話を作れるくらいの設定に思える。その上、グレイスランドの戦争とか、本当にそんな設定必要だったのか。

正直、コヨーテはカウボーイビバップの2匹目のつもりなんだろうけれど、微妙に具体的なテーマがあるばかりに、どれも浅く終わってしまってあまり有効ではなかった。カウボーイがいる世界観のような、コヨーテのいる世界観を示せたとは言えないだろう。あるいは、ゲーム、ワイルドアームズのようなウェスタンのパロディ的な世界観ではあるが、ワイルドアームズほど、そのごちゃごちゃした設定をパロディとして扱えていない。ストーリィの原動力だか外見上のけれんみだか中途半端に終わっている。

1話を見た限りでは、圧倒的なる12姉妹を生身の人間が蹴散らし、敏腕そうな刑事の上を行く知略も働く不法者、みたいな活劇だと期待したのになあ。