daily life

金のつぶ とろ〜りたまご入り醤油たれ』という納豆がある。

ぼくは納豆を食べるときは卵をかけているから、これを食べる意味はあまりないのだが、とりあえず試してみた。名前の通り、とろりとした粘度の高いタレ。舐めてみたら確かに卵味。割合透明。けれど、所詮は普通のタレの量しかないから、卵をかけたほどのふんわり感にはならないだろうと思って、これにも卵をかけて食べてみた。やたらと卵味がした。いつもより泡立つし。それだけ。

ぼくは、以前は納豆が食べられなかった。学校給食に出てくる、タレもなにも付いてないひきわり納豆なんて最悪だった。けれども、何とか食べられるようにと思って、まずご飯にかけないで食べてみることにした。山芋をかけたご飯とか、そういう粘りけのある物とご飯を一緒に食べられなかったのだ。食感や喉ごしにこだわるぼくである。海苔で巻いてちょっとずつ食べてみた。で、納豆の匂いにある程度慣れたところで、納豆は結構旨み成分が多いことに気が付いた。まあ、枯草菌の一種がせっせと大豆タンパクを分解して納豆に仕上げるのだから、アミノ酸だかなんだかが大量発生していることでしょう。旨みは、複数の系統の成分が合わさると飛躍的に増大して感じられるから、海苔以外にも、いろんなダシっぽいものを投入してみたら、納豆の臭みを気にせずに食べられるようになった。いろいろぶち込むと粘りけも減るから食べやすい。これで、ようやく納豆をご飯にかけて食べられるようになった。そこから、少しずつ混ぜる物を減らしていったが、卵だけは残った。これがぼくが納豆を食べるのに必要な要素。納豆の粘り気を緩和する素材だった。

しかし、そういった試行錯誤は、どうも周囲からは納豆に対する情熱のように思われるらしく、納豆通みたいに言われてしまう。違います。ところで、ぼくは納豆の大豆は小粒なほど良いと思っていて、その点で『糸の力』は今のところ最高に粒が小さくて良い。小豆に失礼なくらい小さな大豆なのだが、これの殻を外す作業は大きな手間に違いない。機械がやっているのだろうか。