simoun

シムーンは地味に良かった。感想サイトで祭りになるような要素はなかったけれど、今期の良作。ZEGAPAINもさりげない良作だし、SFネタ強し? しかし、可能性の分岐する世界というか、SF系にとって、量子ネタはやりやすいが乱発が心配だな。

最終回と言うことで、しばらく後の話。全てのキャラにおいて、最終回のデザインの方が良く感じる。大抵のアニメで、別バージョンの方が良く感じるのだが、1回しか使わないからこそ、動かすのが面倒でも見栄えのするデザインを採用するからだろうか。

ユンが「ドミヌーラ」と呟いていたし、全体の雰囲気から、オナシアとドミヌーラがイコールなんだろうと思う。しかし、名無しの少女が地面にきらめく粉を発見するシーンで、少女は足元を見ているような演出があって、それはリモネの走り去ったあとなんだよなあ。ドミヌーラは木よりこっちに来ていない。そうすると、リモネから発された粉ということになるが、リモネは分化しないまま大人になるにはまだ若いように思う。どうなんだろう。

始めはみんな少女だった世界というのは、SFとしても生物学としてもアリだと思う。だけどそれ以上に、オタクの憧れなんだろうな。少女好きという意味での少女趣味。少女が好きだから、少女になってしまいたいユーフォリア。それを、できるだけ少女が好みそうな趣向としての少女趣味とオーバーラップさせたのがシムーンなんじゃないかな、と今更言ってみる。

あと、シムーンの惜しい点を上げてみる。どんなに人数を増やそうとも、立場が近い人間ばかり出していては、結局はセカイ系にしかならないということ。むやみに分を超えた大局的な視点で語りがちな少年と違って、自分との関係性を重視する少女なのだから、セカイ系の雰囲気になることは分からないではない。しかし、少年少女が戦争に巻き込まれるみたいなスタイルからしセカイ系にありがちなのだし、いまさらセカイ系をやるのも野暮だ。だから、そういったものとは一線を画して欲しかった。キャラクタの内面を描くときはそれでもいいが、背景世界はある程度客観的に評価できるくらいに情報を出した方が良かったように思う。