二次元萌えじゃありませんから

なぜ、3Dがアニメ的に演出された映像が変に見えるのか。多分、それは演出方法が2D向けのままだからだ。2Dだと、描きやすさや正面顔を見せたいという演出意図からどうしても真横から見たような視点が多用される。しかし、それは舞台的な演出方法であって、実際的な画面としてはやはり変なのだ。3次元的なパースをどうしても正確に描き出してしまう3Dアニメの場合、それだとわざとらしすぎてしまう。もうちょっと画面にひねりを加えないと、自然に見えない。それに、2Dと比べて、視点をずらしたりするのが簡単なのが3Dの良さなのだから、2Dとは映像的な文脈を違える必要がある。

それから、モーションの簡略化度合いと、フレーム数の不一致。リアル指向の3Dの場合、人間同様の動きを人間よりも関節数を多くして表現している。人間の場合は身体をひねることができるので、ひねったりする表現がしにくいポリゴンキャラは、関節数が多いくらいでちょうど良い。しかし、非リアル系で、2〜3等身まではいかないけれども、リアルでもない、いわゆるアニメ的デフォルメーションされたデザインのキャラクターの場合、製作コストの問題からも関節数は減らされる。それにも関わらず、30フレームや60フレームで動いたりすると、動きそのものは滑らかな分、本来の人間とは違う動きになってしまって、ぎこちなくなってしまう。だから変に見える。アニメでも、簡略化された動きは24フレームまで使わず、15フレームくらいで済まされてしまうことが多い。3Dアニメでも、フレーム数を落とすことで、足りないディテールに、かえってその範囲でのリアリティを与えることができるようになるだろう。